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ミーハー映画編

田口浩正氏と遭遇 (1998.1.3@夜の親不孝通り)

 

 まずは、あまり映画ファンでない方には「田口浩正って誰?!」ってなもんでしょうから、ご説明しますと、三谷幸喜さんの脚本のドラマや映画には必ず出ている、ちょっと太った俳優さん。銀縁メガネかけた彼。これでわかるんではないでしょうか?!あと、周防正行監督の映画にも、よく出ていますね。『シコふんじゃった』とか『Shall We ダンス?』とか。チョットの出番でも、強烈なインパクトを残す俳優さんです。

 この日は友達と5人で、シネテリエ天神という映画館で映画『ブラス!』を観た帰りでした。「MissYさん、泣くといったらホントに号泣するんですねー。私ビックリしました」やら言われつつ、ううっ、やはりこの映画は一人で観ればヨカッタ…と思いつつ、てれてれ歩いておりました。夜の9時、福岡市天神の親不孝通りと言えば、正月休みということもあって、若者があふれかえっておりまして、そんな中で、いきなり、連れのK君が「あっ、今のは今のは…」とわなわなして、振り返っているので「えっ? 誰か知り合い? あっ、あのデカイ後ろ姿はHさん?」と私が言うと、「ちっ違いますよ〜!本物ですよ、本物の田口浩正ですよぉ!」とK君。(注:Hさんとは、やはり福岡でミニコミを発行している人で、つい最近私らも知り合いになった人。風貌が田口浩正に似ていると、常々私達は言っていたのでした。)「えっ?! ナゼ田口浩正がココに居るの?」「あの人、確かこっちの出身の人なんですよ。この辺のお好み焼き屋さんにもサインがありましたもん。え〜どうしよう、どうしよう、僕すごいファンなんですよぉ。今度、自分で映画監督もしたんですよね。」と、なおも、わなわなしているK君。「そんなにファンなら声かけてくればイイやんね。…わかった、かけきらんのやね、私に声かけてってコトなんやね。」と、ほとんど“お節介な親戚のおばさん”化した私は、彼と二人でダッシュで親不孝通りを走って逆戻りして、田口浩正とそのお友達(男性2人)に「あの、田口浩正さんですよね。」と声をかけたのでした。「あっハイそうですけど…」「あの、こっちの彼がとてもファンなので、握手してやって下さい」(はい、あとは自分で何かしゃべりなさいね、K君。映画の感想なり何なり)と、ところがっ!!舞い上がってしまったK君が言ったことは「あっ、あのあの、ありがとうございます。あの、こちらのご出身なんですよね。この近くのお好み焼き屋さんにもサインがありますよね。」だ、だから〜、そういうコト言う場面じゃないでしょう、もっと映画の感想とか言いなよ〜、アンタいっぱい観ているくらい、すんごいコアな日本映画ファンなんだからぁ!…と、やきもきしている私の横で、会話はそれだけで終わってしまい、田口浩正ご一行様は「じゃあ」と去っていき、K君はうれしそうにニコニコしていました。…いや、まぁいいよ。K君がそれで良かったんなら。しかしまったく、私は号泣した後で、化粧もハゲハゲで、ダッシュして走って追っかけて…「普段は、もちょっとましな顔なんですぅ〜、これには事情があるんですぅ〜」と釈明したかったです。