Liveレポ 歌うイッセー尾形IN博多@イムズホール 2002.3.12(Tue) イッセー尾形さんの舞台は、友達でハマッている人から「面白いよー」とは言われていたものの、いつもチケット押さえるのが大変そうだしなーと諦めていたのでした。でも、昨年、台湾映画『ヤンヤン 夏の思い出』の試写会にイッセー尾形さんが舞台挨拶に来て「僕は挨拶は苦手なので、挨拶代わりに、一人芝居のネタを披露したいと思います」と、目の前で(そのとき私は1列目ド真ん中の席だった!)タダで目の前で見て以来「うーん、やはり一度きちんと見たいもんだ、イッセーさんの舞台」と思っていたのでした。ちなみに、そのときのネタは「ストリート・ミュージシャン」でした。で、映画でのイッセーさんの役は、日本人のゲーム会社の社長だったかな。とにかく映画の中では怪しい金儲けのビジネスマンが出てくる中で、イッセーさんは唯一イイ人という役どころで。それだけに一緒に観た友達も私も、映画の前に見てしまった「ストリート・ミュージシャン」のイッセーさんが頭から離れずに困惑でした(苦笑)。
で、今回の福岡公演も4日間くらいあったのですが、初日は日曜日ということもあってかすぐに売り切れたようで、でも偶然、インターネットで、この3/12と3/13は「まだ残席あり」と知ったので、「うぉっ?!」と思い、当日券買いで行ったのでした。そして更にラッキーなことに、私が買いに行った数分前にファンクラブの予約分でキャンセルが出たそうで、当日券なのに1列目ド真ん中の席! うわー。ミーハー運というか、どうも私はこういう運は、すこぶる強いらしい。っていうか、こういうとこで運を使い果たしてないか?!
イッセーさんは、基本的に「同じネタはやらない」らしいのですが、今回はちょっと特別で、今まで、毎年のネタに必ず1本入っていた「歌モノ」ネタだけを集めたもの。ラストの「おちよちゃん」だけは、このネタで全国を回っていて後半から試験的にやっているらしい。(これを見れた福岡は、だからラッキーです!)
「歌モノ」とは何ぞや?! かというと、いろんなパターンの歌手を衣装を変えメイクを変え、次々と演じるのです。地方のキャバレーを回っているらしいムード歌謡の「津山ひろし」や、温泉センターかどっかで先輩歌手の前座で出ているらしいすごく腰の低い新人演歌歌手の「高山高男」、はたまた、ウエスタン村の入り口でイベントやってるカウボーイハットかぶったカントリー歌手、シャンソンを歌う怪しげな”おフランスかぶれ”の男、家のベランダでアコースティックギターを弾き歌う不思議ちゃんの「サキちゃん」、若いアンちゃんらしきストリート・ミュージシャン、そして極めつけは60歳のロック歌手おちよちゃん。もう笑いっぱなしでした。ギターで弾き歌う歌も、もちろんイッセーさんのオリジナルで、ギターはスターダストレビューの根本要さんに習ったらしいです。で、幕間にイッセーさんが次のネタの準備をしている間は、イッセーさんと根本さんのトークがテープで流れていて、ちゃんと客を飽きさせないのです。しかも、その着替えも、舞台の端っこに全ての衣装と小道具が準備してあって、客が見ている前でパンツ一丁になって着替えるイッセーさん。(私はホントに目の前なので、ちょっと目のやり場に困りました.....。)しかし、化粧をササッと変える様を見ていて、「いやー、人間はこんなにも服装やメイクで怪しく変わるのか!」と、感心しました。(いや、それはもちろんイッセーさんの芸達者ぶりもあるでしょうが。)たとえばムード歌謡の津山ひろしのときは、もみあげがビヨーンと書いてあって、すごいラメの衣装で、とってもウサンくさい感じ。それをササッとふき取って、メイクを直してカツラかぶってフォークロア調ワンピースを着ると「不思議少女(そして男運が悪いらしい)サキちゃん」てな具合。ラストの「おちよちゃん」が私は一番好きでしたが、このときはド派手でワイルドなかつらをかぶり、真っ赤な口紅とアイラインをぎゅっとひいて、ほお紅も濃いめにナナメにいれて、ハイヒールとロックな感じの衣装着て、スポットライトがあたったときは、もう「いえ〜〜い!」と(これがまた、キレのイイ「Yeah!」ではなくて、まったりと「いえ〜〜い!」ていうのがミソ)ポーズをとって60歳のロックばあちゃんになりきってるの。「○○さん、今日、元気ないわね、どうしたの? あ、ダンナが亡くなったの? そう.....それはツライわね。でもさ、これから楽しまなくちゃ!アンタね、女は60歳からよ! 今日は私が天国に連れてってあげるわよ。ついてきてよ、みんな!」とか言っちゃうの! かぁーっこいいーーーー!(笑) ああー、この「歌モノ」オンパレードのDVDは出ないのかなー。欲しいー。そしてクサクサするときや辛いときに見て元気になりたい。ま、思い出すだけでも「クスッ」て感じで、かなり幸せな気分になれるけど。
イッセーさんの舞台、たしかに一度見たらハマるわー。次回もきっと見に行きます!
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